Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

ランサムウェア「Petya」の復号化キー作成ツールが公開

暗号化によりOSを起動できなくし、金銭を要求するランサムウェア「Petya」の被害にあったディスクを復号化するツールが、インターネットで公開された。

20160412_pe_001.jpg
復号化するパスワードを生成できるサイト

「Petya」は、起動に用いる「マスターブートレコード(MBR)」を改変するマルウェア。再起動後に立ち上がる「chkdsk」に見せかけたプログラムが「マスターファイルテーブル(MFT)」を暗号化。その後はOSそのものが起動できなくなり、Bitcoinにより身代金の支払いが要求される。

同ランサムウェアへの対策として、Twitter利用者のLeostone氏が、ウェブサイト上へ修復ツールを公開したもの。同ツールで実際に復号できることをヘルプサイトのBleeping ComputerやセキュリティベンダーのKaspersky Labが確認したという。

復号キーを作成するウェブサイトは不安定であり、ミラーサイトなども用意されている。復号化のキーを得るためには、ハードディスクを別の端末へ接続し、ドライブの指定されたセクタよりデータを取り出す必要がある。

また外部ドライブとして接続する必要はあるものの、指定されたデータをより簡単に取り出せるよう、ソフトウェア「Petya Sector Extractor」をEmsisoftの研究者が開発。Bleeping Computerのサイトで公開されている。

今回は復号化の手段が発見されたが、今後「Petya」がアップデートされれば、今回のツールで復号化できなくなる可能性が高く、セキュリティ専門家は引き続き警戒するよう呼びかけている。

(Security NEXT - 2016/04/12 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

サーバがランサム被害、データが暗号化 - 愛知陸運
ランサムウェア被害による情報流出を確認 - アニエスベー
Fortraのファイル転送製品「GoAnywhere MFT」に脆弱性
日東製網、四半期決算を延期 - ランサムウェア被害の影響で
警察庁が開発した「Lockbit」復旧ツール、複数被害で回復に成功
ランサムリークサイト、年間約4000件の投稿 - 身代金支払うも約2割で反古
先週注目された記事(2024年3月3日〜2024年3月9日)
「LockBit」にあらたなリークサイト - ブランド回復に躍起
ランサム被害による子会社情報の流出を確認 - 綜研化学
画像管理サーバがランサム被害、救急や一般外来受入に影響 - 国分生協病院