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【書籍】他人事ではないサイバー犯罪の裏側を描いた「サイバークライム」

サイバー犯罪の実態に迫ったノンフィクション書籍「サイバークライム」が講談社より発売された。四六判426ページ、ISBMは「978-4-06-216627-0」で価格は2415円。

同書は、Financial Timesでジャーナリストとして活躍するJoseph Menn氏が、サイバー犯罪について取材したノンフィクション作品。原題は「Fatal System Error:The Hunt for the New Crime Lords Who Are Bringing Down the Internet」。

セキュリティ対策ソフトなどの技術翻訳を手がける浅川佳秀氏が翻訳を担当。サイバーディフェンス研究所で上級分析官を務める福森大喜氏が監修した。

書籍前半部では、著名なセキュリティ専門家であるBarrett Lyon氏が、セキュリティベンダー「Prolexic Technologies」を2003年に設立した際のエピソードを収録。

業界でいち早く本格的なDDoS攻撃対策サービスを実現し、現在も大手企業により採用されている同社が誕生した裏話や、潜入捜査によりDDoS攻撃の犯人特定まで至るLyon氏の戦い、共同設立者による違法行為に悩み、同社を離脱し、関係者を告発に至った経緯など生々しく語っている。

後半部は、イギリスサイバー犯罪対策庁「NHTCU」の捜査官であるAndy Crocker氏のドキュメント。Lyon氏が得たサイバー犯罪者の情報を手がかりに、ロシアなど多国間にわたる捜査を繰り広げ、逮捕、裁判に至った様子など活躍を描いた。

さらに巻頭には福森氏の解説、巻末に福森氏とMenn氏の対談を特別収録。同書でたびたび登場するDDoS攻撃の解説や、日本を狙った標的型攻撃、ソニーに対する攻撃など、日本を取り巻く状況について解説が追加されている。

同書では本文中、F-SecureのMikko Hypponen氏をはじめ、セキュリティ研究者のコメントも随所に登場。2003年ごろから近年にわたるサイバー攻撃の変遷を辿ることができる。

また世界規模で広がるサイバー犯罪の台頭と同時に、法律、文化、慣習など国家間の違いや、政治腐敗、ハッカーを保護する「防弾ホスティング」、告発者に対する犯罪者の報復行為など問題解決を困難にさせる障壁が描いており、日本をはじめ全世界が直面している問題へ、今後どのように対抗していくべきか、考えさせる内容となっている。

(Security NEXT - 2011/10/31 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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