Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

IT投資におけるセキュリティ対策予算、過去5年間で最高

国内企業の2割強が2015年度のIT予算を「増額」とし、「減額」する企業は1割を切った。「情報セキュリティ対策費用」をはじめ、リスク対策費用が直近5年でもっとも高い割合を示したという。

ITRが9月3日から14日にかけて実施した「国内IT投資動向調査」の結果を取りまとめたもの。国内企業におけるIT投資の意思決定に関与する役職者5000人を対象に実施。2443人から回答を得た。

2015年度のIT予算は、「20%以上の増加」と「20%未満の増加」を合計した「増額」の割合が21.3%。2014年度調査の23.1%には届かなかったものの、「減額」と回答した企業は8.8%と、2001年の調査開始以降はじめて10%を下回った。

20151007_it_001.jpg
リスク対策費用割合(グラフ:ITR)

IT予算額に占める「情報セキュリティ対策費用」は15.3%だった。「IT内部統制向け費用(11.2%)」「災害対策費用(9.6%)」を含め、リスク対策費用の割合が近年増加しており、いずれも直近5年でもっとも高い割合だったという。

IT課題の重要度調査では、「IT基盤の統合・再構築」が6年連続でトップ。一方、今回の調査から追加された「マイナンバー制度への対応」は3位だった。2015年度の実施率は14.7%と低めだが、2018年度の実施率を69%と同社では予想。セキュリティ対策費用の増加などへ影響している可能性もある。

また調査では、2013年度から全IT支出のうちIT部門が決定権をもつ割合についても尋ねた。割合は年々低下しており、2013年は52.7%と半数を超えていたが、2014年度は47.9%、2015年度は42.7%に下落した。

(Security NEXT - 2015/10/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

国内企業、IT投資で「セキュリティ向上」に高い優先度 - 「AI能力向上」も
活かしきれないセキュリティツール、機能の重複も - Fastly調査
中小企業の3分の1、直近3年間のセキュ投資ゼロ - 「必要性を感じない」
情シス担当者、「ゼロトラストを理解している」21%
アフターコロナ、テレワーク中心を望む声は約2割 - デル調査
偽ECサイトの通報件数が増加 - マッチングアプリやSNSで異性から勧められたケースも
「スマートシティセキュリティガイドライン」1年待たず改定
2025年のセキュリティサービス市場は1兆円超に - IDC予測
約3分の1の企業がIoTやOTでセキュリティ事故を経験
3割がセキュ投資増額、56.3%で被害経験 - IDC調査