2012年の不正アクセス事件検挙件数は前年比2.2倍へ拡大 - 大半がパスワードの不正利用
警察庁は、2012年の不正アクセス禁止法違反事件の検挙や認知状況を取りまとめた。
検挙件数は543件で、2011年の248件から2倍以上に拡大しており、検挙人数は前年比40人増となる154人。10代が64人と多くを占め、20代が34人で続いた。元交際相手や元従業員など顔見知りが75人と約半数にのぼる。
検挙の内訳を見ると、不正アクセス行為が533件で、パスワードを無断で第三者に提供したケースが4件、不正アクセス目的で他人のパスワードを取得、および保管したケースが各2件、フィッシング行為が2件だった。
不正アクセス行為の手口を見ると、脆弱性を攻撃したものは1件にとどまり、532件は、他人のパスワードを不正に利用したものだった。
そのなかでもっとも多かったのは、パスワードを利用者から聞き出したり、覗き見によるもので、229件にのぼる。次いでパスワード管理の甘さに付け込んだケースが122件、パスワードを知り得る立場にあった関係者によるものが101件で続く。
「スパイウェア」や「フィッシングサイト」で入手したパスワードを悪用したケースも、それぞれ29件、18件が検挙されている。
不正入手したパスワードは、オンラインゲームやコミュニティサイトで使用されたケースが318件と最多だった。次いで「会員専用・社内用内部サイト(98件)」「メール(44件)」「ネットバンキング(31件)」と続く。すべて昨年より増加しているが、ネットショッピングのみ昨年の87件から28件に減少した。
一方、不正アクセス行為の認知件数をみると、1251件で前年より362件増加した。被害は、一般企業が1163件と集中している。行政機関が52件で続いた。プロバイダは前年の115件から22件に減少している。
不正アクセス後の行為を見ると、「オンラインゲームやコミュニティサイトの不正操作」が662件で最多。次いで「ネットショッピングの不正購入(223件)」「情報の不正入手(99件)」「ネットバンキングの不正送金(95件)」となっている。
(Security NEXT - 2013/03/29 )
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