更新パッチ提供なし、「Office XP」ユーザーは要注意 - 別途緩和策の実施を
マイクロソフトは、6月9日に定例セキュリティ更新プログラムとして、Office向けのセキュリティ更新プログラム「MS10-036」を提供開始したが、「Office XP」では脆弱性の影響を受けるものの、更新プログラムが提供されないため注意が必要だ。
「Office」に見つかった脆弱性は、「COM」の検証処理における不具合で、ユーザーが誤って不正なコンポーネントを埋め込んだファイルを開いた場合、リモートでコードが実行されるおそれがある。深刻度は「重要」。
脆弱性の影響を受けるのは、「Office XP」「Office 2003」「2007 Office System」だが、「Office XP」については、今回更新プログラムの提供が行われない。
同社セキュリティレスポンスマネージャの小野寺匠氏によれば、「Office XP」のアーキテクチャでは、同脆弱性へ対応が難しく、対応する場合はプログラムそのものを書き換えることに等しいという。また無理に対応した場合、従来作成したファイルが開けなくなるなど不具合が生じる可能性があり、提供を見送った。
直接脆弱性を解消するプログラムではないが、同社ではレジストリ操作によりCOMの起動を制限する「Fix It」を緩和策として用意。ウェブサイト上で提供している。
(Security NEXT - 2010/06/09 )
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