Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

なぜ、名だたる大手企業のサイトが「Gumblar」で改ざんされたのか

しかしこうした環境におかれたサイトが被害の中心となっている。セキュリティポリシーが統一されていない「サイトの乱立」こそ、改ざんが発生する根本にある大手企業ゆえの問題だ。

各部署に任せきりとなっているウェブサイトの運用が、企業ブランドへ大きなダメージを与えるどころか、さらにはウイルス感染の加害者ともなりうる深刻な状況を生んでいる。

こうした問題へ8年近く前に直面し、解決に動いている組織がある。政府だ。

2002年に政府関連サイトで大規模な改ざん被害が発生した。その後省庁間の格差をなくすため情報セキュリティの統一基準などを設けたほか、全体のセキュリティポリシーを守らず、部署などが独自に立てたサーバが乱立を防ぐため、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)を中心にサーバの削減が進められている。

「Gumblar」対策として、サイトの更新に利用するPCを分けたり、サーバへ接続できる端末の制限など技術的な対策が効果的といった指摘があり、当然重要な対策のひとつとなっている。

しかし、大きな組織ではそれ以前に、組織内部でどういったウェブサイトが立ち上げられているか、運用状況を調べて本来求められるセキュリティポリシーが正しく運用されているか、確認することが必要だ。特に外部委託のサーバなど自社組織のセキュリティポリシーと乖離している可能性もあり、念入りに確認しておくことが重要だろう。

(Security NEXT - 2010/01/08 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

サイト改ざんで別サイトへ誘導 - 聖マリアンナ医科大東横病院
2023年の不正アクセス認知件数、前年比2.9倍に急増
学生服通販サイトの旧サイトに不正アクセス - クレカ情報流出の可能性
発覚2カ月前にもマルウェア実行の痕跡、情報流出は否定 - こころネット
eモータースポーツ大会の複数SNS公式アカウントが乗っ取り被害
なかほら牧場の通販サイトに不正アクセス - 個人情報流出の可能性
ヘアケアツール通販サイトに不正アクセス - 個人情報流出の可能性
ラック、生成AIシステム特有のセキュリティ問題を診断するサービス
鹿児島農産品の通販サイトで個人情報流出の可能性 - クレカや認証情報も
求職情報サイトが侵害、CMSプラグインの脆弱性突かれる - 日刊工業新聞